瀬戸内寂聴の「花冷え」 2010年 3月 27日


瀬戸内寂聴の「花冷え」
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女将さん 相変わらず 寒いですね さくらの樹も寒いでしょう
オトウサン さくらの満開が 遅れるそうですよ

そうでしょう そうでしょう
ところで 「花冷え」は 俳句の季語 らしいですね


「花冷えや 箪笥の底の 男帯」 (鈴木真砂女)

女将さん この俳句は 
瀬戸内寂聴尼の書いた新聞小説に 引用された俳句だそうです

年増女の 心の動きが 書いてありますので 要約してみますよ
女将さん よく聞いていてね

          下町のひっそりしたしもた屋。女が一人いる。
         齢はまだ三十そこそこ。地味に装ってはいても、隠せない色香が漂う。

          桜の季節ながら、ちょっと肌寒い一日、女はふと思いついて箪笥を開けた。
         男物の帯が一筋さりげなくしまわれている。 

          女は普段着の帯を解き、鏡の前に立ってその博多帯を締めてみた。
         男物だが案外似合う。キュっと音を立てて締めると、ぐっと腰に力が加わる。

          その昔、男に抱かれたときの感触が突然に戻ってきて、思わず気持ちが騒ぐ。
         不意を突かれた狼狽から、そのまま身を任せてしまい、
         ずるずると同棲に入り込んでしまった。

          何年かして男は黙って出て行った。
         女は過ぎ去った季節季節を想い出す。

          和服の似合う男だった。いまも着流しで歩いているのか。

おかみさん ナカナカ気が利いているでしょう
オトウサンも 黙って帰るときは 何か置いてってよ!

今は着物も着てないし 下帯もしてないし 越中もないし
グンゼのパンツで いいかしら?

ほんとに色気がないんだから 勘定だけは忘れないでね!


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by takiro2 | 2010-03-27 14:53 | Comments(0)
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